「話ってそれだけ?」


「ちげーよ」


俺はコイツと真剣勝負してるはずだった。


だけど、コイツにはそんな気は見られない。


「お前、図ったろ」


始めから、こうなるように。


「バレた?」


おどけた表情しやがって。


「当たり前だろ」


コイツは乃愛が好きだとか言ってたけど、それは嘘。


俺に恋を自覚させ、乃愛とくっつけようとしてた。


まんまと騙されてたけど。


おかげで乃愛と上手くいったから、文句はねぇけど。


「さすが翼。まっ、末長くお幸せに~。んじゃ俺トイレ行ってくるから」


……。


「ありがとな」


「おう」