っ!!


「違うよっ!あれは─」


「声が大きい」


おば様たちの冷たい視線から逃れるように沙羅が注意した。


てか、沙羅のせいなのに。


「あれは…その場の流れで……」


私が無理して立とうとしたから、性悪が……。


「好きでもない女ことを抱きしめないと思うけどね~」


……妹だからね。


私は……。


「妹として見られてるからさ…」


義理だとはいえ妹にコクられても困るでしょ?


「でも、法律的には結婚できるじゃん。二人は。なら…」


法律的にはだもん…。


性悪がどう思ってるかなんかわからない。


「フラれたくないから告白もしないの」
 

それでいいの。


「はぁー。勇気ないなぁ」


……ため息つかれても…。