本当に男たちが去った瞬間、立ってる力が消えた。


そのまま木伝いにズルズルと座り込む。


「悪い、気づくの遅くなった」


「だ…大丈夫だから……」


心配されたくなくて、無理矢理立ち上がる。


「無理すんな」


そんな言葉と共に腕をひかれ、性悪に抱きしめられる。


その瞬間、なぜか涙がこぼれた。


「怖かったよぉ……っっ」


でも…あのままキスされなくてよかった……。


ファーストキスだから…。


「…………」


性悪は、無言で私の頭を撫でてくれた。


性悪があったかい。


性悪のぬくもり…。