「そ?」


そんな仁も私の歩くペースに合わせて歩いてくれる。


龍美は二人ともよくできた男だこと。


「ねぇねぇ、どこ行くの?」


大きめな交差点の信号に引っかり、立ち止まったときに尋ねる。


「んー…」


そう言ったあと、仁は私の顎をクイッと持ち上げ……。


って…俗に言う顎クイ…!?


「きゅ、急に─」


自分の唇を私の唇に──。