……って、何で私がそんなこと気にしてるんだろ。


性悪がモテようとモテなかろうと関係ないのにね。


「うわぁぁぁん!!」


突然辺りに子どもの泣く声が響いた。


立ち止まってキョロキョロすると、五歳くらいの男の子が一人で泣きながらヨチヨチと歩いていた。


迷子??


子供が哭いてるというのに、誰も足を止めない冷たい大人たち。


男の子に声をかけようかと迷ってると、性悪が迷いなく男の子に近づいた。


だから私も後を追う。


「どうしたの?」


サングラスをしててもわかる、私には見せてくれない優しい表情と、声で性悪が話しかけた。


「うわぁぁぁん!!」


男の子は泣くばかり。


「大丈夫だよ」


私もそう声をかけながら、男の子の頭を撫でる。