玄関に行き、今着ているワンピースに合うサンダルを履いてたら、背後から声をかけられた。


「どこ行くんだよ」


性悪だ。


仕事行ってなかったのか。


「プール!夕方には帰ってくる」


「ふーん…。誰と?」


別に誰とでもいーじゃんね。


「友達だけど」


性悪になんの関係もないし。


「男?」


は?


「なわけないじゃん。沙羅っていう女友達だよ」


彼氏がもしできたら、真っ先にコイツに報告してやるんだから。


当て付けに。
 

「あっそ。変な男についていくなよ」


幼稚園児じゃあるまいし、知らない人にはついていかないよ、普通。


「わかってるよ。バカにしないでよねっ。じゃーね!」


私は、性悪に背を向けて玄関を飛び出した。