同居人=アイドル 同居人≠彼氏 ~性悪アイドルに恋しちゃいました!?~

「いらっしゃってますよ。こちらです」


また別の店員さんが、左手側の廊下に入った。


そして、一番奥の部屋に案内してくれた。


「ごゆっくりどうぞ」


個室か。


そりゃそうだよね。


もしかしたら、他の芸能人も来てるのかもしれないな。


その個室に足を踏み入れると、四人が座れる普通の四角形のテーブルのソファ席だった。


こんなところ来たことない。


スゴいなぁ…。


やっぱお金持ちなんだ…。


「久しぶりー!乃愛!」


お金持ちの世界に圧倒されてた私を、正常に戻したのはうるさい仁の声。


性悪が仁の隣に迷うことなく座ったから、私はその性悪の正面の席に座ることにした。


「前に会ってから全然日にち経ってないけどね」


今年の夏休みは長く感じるから、結構前のことのようにも感じるけど。


「まーね♪つーか、翼別に来なくてよかったのに。なぁ?乃愛」


それは同感。


ウンウン頷いてると、正面から性悪が足を蹴ってきた。


だから蹴り返すと、簡単に避けられた。


仕方なく睨む。