「顔のカッコいいカッコよくないは、年寄りには分からんけど、性格が良さそうなのは右側じゃなぁ」


はははっと笑う運転手さん。


右側が性格良さそうだと?


この人、目腐ってるな。


節穴か?


洞窟でも作っちゃいましたか、顔に、2つも。


「どっからどう見ても右側は性格悪そうですよ!?左側の方が良いですよ!!!絶っっ対」


力説してみる。


性悪よ。


自分がどれだけ性格ひん曲がってるか自覚したまえ。


「左側の方は裏がありそうでの」


裏…ね。


残念。


裏があるのは右側の御堂翼でした!


と、言いたいけど言えなくてもどかしく思ってると、ゆっくりタクシーが停車した。