「別に仁に害はないでしょ?」


なおも反論を続ける私を睨み付ける性悪。


怖。


悪役にピッタリだ。


優しい恋人役とかは似合わなすぎる。


「俺と行くのが嫌なのかよ」


あれ?


いじけてる!?


そう思って性悪を下から見上げると、冷たい冷たい瞳で見られた。


いじけてるのは幻覚でした。


「別に嫌じゃないから。じゃあ行く準備するから出てって」


仁とご飯か。


性悪もいるけど。


楽しみだなぁ。


性悪と違って優しいから、楽しみだなぁ。


心なしか、体が軽くなった気がした。