「わかった、別れよう…か」


私はそっけないその文をただただ見つめていた


本当に終わったんだな、私の初恋

終わらせちゃったんだな、私の手で


「別れた後誰と付き合っても全然気にしないからそっちも気にしないでいいよって…」


私は思わずため息をつく

キミなりの気遣いなんだと思うけどすごく複雑な気持ちになった


「まったく…そんなすぐに彼氏作れるほど生半可な気持ちじゃないっての…」


「私は、キミが思ってるよりももっとキミのこと好きだったんだから」


私は布団に突っ伏してまた泣きそうになる

しかも…


「もちろんって…反則でしょ…」


キミの「好き」がどれほどの「好き」なのか私にはわからない

けど、キミのそのちっぽけな「好き」さえもがどうしようもなく嬉しくて後悔した


「最後くらい「好き」って伝えて欲しかったなあ…」


もう戻れないのはわかってる

でも、私も早く前に進まなきゃ…


「あ…」


キミのラインのホーム画面が変わっていた


「…っ」


あの、アパートで会った綺麗な女性とのツーショットに


「これで、いいんだよ…ね?」


画面越しに無邪気に笑う2人の写真に私は思わずそっと触れる


「…××くんも、こんな顔するんだね」


自分の知らない彼の表情を、彼女はどれほど知っているんだろう

私の知らない声も、きっと、たくさん知っているはずだ


朝の「おはよう」

夜の「おやすみ」

無邪気に笑う声

「好き」って言葉


私は、そんな風になりたかった


キミに愛されるような彼女になりたかった