映画館に着くと、チケットを買い列に並んだ。

「この映画すごく面白いんだ!はい!これがチラシ。」

「ありがとう!……!?」

そう言い、海くんに渡された今日見る映画館のチラシを見た瞬間私は固まった。

「こ……これは……。ホラー映画ですか……?」

「ははっ。何敬語になってんの!……まさか、ホラー系苦手?」

ギクッ

「いや!そんなことないですよ!私絶叫系好きですよ!!」

「いやいや!ジェットコースターの話してしてないし!ていうか、敬語!!」

海くんは、私の困ってる顔を見たのか私の頭を撫でた。

「気づいてやれなくてごめん。チケット変えられないか聞いてくるよ!」

海くんは、私のチケットを取り会計の方へ行こうとした。

「だ……駄目!!」

私は、海くんの服の裾を掴んだ。

「海くんが楽しみにしてた映画見よう!!怖いシーンだけ見なければいいし!それに……海くんも楽

しんでくれなきゃやだ……!!」

海くんの服の裾を掴んでた私の手を、海くんは握り列に戻った。

「何それ……。そんな可愛い顔されたら反則だよ……!!」

そう言い、海くんは照れながら私の手を引っ張った。

握られた手が、いつもより熱く感じたのは私だけなのかな……?