私は、今になって怖くなったのか足の力が抜けしゃがみ

こんだ。

「こ……怖かったぁ………。」

私は、震えが止まらなかった。

そうだ……!さっきの子は………!!

私は、急いで立ち上がろうとしたが体が震えていて思う

ように立てなかった。

「大丈夫ですか?顔、腫れてるけど……!」
 
顔を上げると、目の前にはさっきの男の子が立ってい

て、心配そうにこちらを見ていた。

彼は前髪が長くて目元がよく見えないが、私の方を真っ

直ぐ見て手を差し伸ばした。

「大丈夫だよ!ありがとう!」

そう言い、私は笑った。

「立てますか?」

「あっ……。今立つよ!」

だが、まだ体に力が入らなかった。

「……。ちょっと、失礼しますよ。」

「え……?」

すると、体が宙に浮き彼は私を軽々と持ちあげた。

え……!?

お姫様抱っこ……!?

ていうか、メチャメチャみんな見てるし……!

私は、自分のしたことが急に恥ずかしなってきた。

「顔真っ赤ですね。」

「だって……!自分のしたことが急に恥ずかしくなって

きて……!」

私は、赤い顔を手で隠した。

「……。恥ずかしくないですよ!」

私は、その言葉に顔を上げ彼の顔を見た。

「誰も、助けに来なかったのに君は助けにきた。それ

が、恥ずかしいことなんてないですよ。助けに来なかっ

た人たちの方が恥ずかしいと思います。俺は、嬉しかっ

たです。助けに来てくれてありがとう。」

彼は、笑顔で微笑んだ。

その時、私の心が高鳴った。

太陽のように眩しく笑う君に私は、彼でもこんな顔する

んだと少しドキッとしてしまった。

……?

何だろう……?

私は、胸元がギューッと熱くなった気分だ。

きっと……、お姫様抱っこのせいだろう。