映画が終わると私は、体力が尽きて放心状態になった。

「おーい!咲夜ちゃーん!駄目だこりゃ……。俺、飲み物買ってくる。深夜は、咲夜ちゃん見て

て!」

そう言い、海は自動販売機に向かった。

「……咲夜さん。大丈夫ですか?」

「あっ……!大丈夫だよ!」

深夜くんの顔がまともに見れない……!!

心配してくれてるのに……!!

どうしよう!

「あの……。さっきは、すみませんでした。その……映画の途中、あんなことしちゃって……。」

私は、あのことを思い出してまた顔が赤くなってしまった。

「い……いや……だっ…だいじょう…ぶ……だよ。」

やばい!!

動揺が隠し切れない!!

「あ……あのね!!私、すごく嬉しかったんだよ!!」

私は、深夜くんの方を見て言った。

「深夜くんに……心配されて、すごく舞い上がってるの…!だって、私のこと見てくれてるんだ……

て思って…!でも、少しは意識してほしいな……?」

その言葉に、深夜は目をそらした。

「そ……、そんな可愛いこと言っても、何もやらないぞ!!」

その可愛らしい行動を見た私は、笑った。

「何笑ってんだ。咲夜。」

「え……?今、咲夜って言った?言ったよね!?しかも、タメ口で!」

「い…いやっ!言ってない!」

私は、その言葉にむきになったのか顔を近づけた。

「言ったよね!?」

「う……うん。」

私の押しに負けたのか深夜くんは頷いた。

「嬉しいな…!これで、少し深夜くんに近づけた。」

そう言い、私は悪戯気に微笑んだ。

「……。そんなんじゃ足りない……。」

「え……?今なんて言って……。!?」

私の唇と深夜くんの唇が触れた。

え……!?

これって……キス!?