「なぁ・・・。昔何があったんだ?」

私は、少し冷静を取り戻した。

深呼吸をし、ゆっくりと語った。

「私のお母さん生まれつき体が弱くてね。それでも私を、育ててくれたの。とても優しくて、正しいこと

をしたらいつも褒めてくれる、そんなお母さんが大好きだった。でも、ある日私が川に落ちてお母さんは

私を助けようと川に飛び込んだの。私は、無事助かったが、お母さんは意識不明の重体。その後、亡くな

ったの。」

私は、自分の手を両手で強く握りしめた。

「これは・・・。すべて、私のせい。私が、あの時死んでれば・・・。」

「なんで、そうなんだよ!!」

咲斗は、立ち上がり怒鳴った。

「お前のおばさんは、お前を助けたくて飛び込んだんだ。お前に死んでほしくなくて、助けに行った

んだ。だから、そんなこと言うなよ!俺はお前に会えてすごく嬉しかった。大好きな奴に会えて俺は

嬉しかったんだ!!」

その時、場は凍った。

え・・・?

大好きな奴・・・て、私!?