だって、今日で全てが終わったわけでは決してないから。


「千桜ちゃん。みんなで写真撮ろう!」


花柄のカバーをしたスマホを掲げてあや子ちゃんが言った。一年間ほとんど一緒に過ごした沙都(サト)ちゃんと真由(マユ)ちゃんも微笑んで頷いた。


何でそんなに笑顔でいられるのだろう。みんなブサイクじゃないか。負け組じゃないか。

みんな陰で悪口を言われているんだよ?

自信なんて到底持てない容姿なのに、人目を気にせず笑おうだなんて私には無理だった。


ぎこちなく口角を上げて内側のレンズを見つめようとしたけれど、視線はフレームに収まる自分を見つめていた。こんな時でも相変わらず光のない濁った瞳。


「いくよ。ハイ、チーズ––––––––」


カシャ。