このままま眠ってしまいたい。


目が覚めたら可愛くなっていた、なんてこと、あるわけないか……。そんな夢のような話。


「……もう、どうでもいいや……」


涙ごとギュウと枕に押しつけた。


コンコン。


「……千桜ちゃん?入ってもいい?」


何も答えないから、入るわねとお母さんは静かに扉を開けた。少しの沈黙があって、千桜ちゃんと私を呼ぶお母さん。その声色は沈んでいて、そうしたのは私だから、余計何も答えられなかった。


「……ごめんね。前にその、容姿のことで当たってきたでしょう?なのにお母さん……気持ちに気づいてあげられなくて、本当にごめんね。でもね、千桜ちゃん。お母さんもお父さんも、ブサイクだなんて一度も思ったことないわよ。自分の娘だもの。千桜ちゃんは可愛いの」