桐「理事長少しいいですか?」


葵「ん?あぁ、一ノ瀬か。何だ?」


桐「最後に戦ったあの人は誰なんですか?」


桐人の質問に葵さんはポカンとした顔をした


舜「僕たちを倒した人は理事長の知り合いだと結衣さんに聞いたので、あの人は誰でなぜ戦わせたのか気になりまして」


舜がそう言うと葵さんは私を見た


私はみんなにバレないように葵さんに“ごめんね”と口パクで言った


葵さんはひとつため息をつくと


葵「あぁ。その事か。アイツとお前らを戦わせたのは……まだお前らは弱いってことをわからせるためだ」


葵さんの言葉にみんなは目を見開いた


葵「お前らは先代のお陰もあってか今は全国1位かもしれないが、お前らより強い族はまだまだいる。夢蝶以外にもな。だから全国1位だからって油断してるとすぐ他の奴らにやられるってことを分からせようとしたんだ」


みんなは少しの間黙っていた


葵さん何気に真面目なこと言ってるな


しばらく沈黙した後


桐「戦わせた理由は分かりました。でも、もうひとつの質問には答えてもらってません」


晴「僕たちと戦った人は誰なの?」


葵さんなんて答えるかな…


葵「…それは教えられない。」


舜「どうしてですか?」


葵「アイツとは正体を教えないという条件でお前らと戦って貰ったんだ。だから、教えることは出来ない 」


桐「…分かりました」


するとみんなは葵さんに「失礼しました」と言ってクラスのところへ戻った


「葵さん、ありがとう」


葵「ったく、勝手な嘘言うなよ。誤魔化すの大変なんだぞ」


「あはは。ごめんなさい」


葵「まぁ、丸く収まったけどな。そろそろ閉会式だからお前も戻りな」


「はーい」


その後閉会式が始まり結果は私の組が圧勝して体育祭は幕を閉じた