他に教科書借りれるような仲のいい友達なんていないし... 私は諦めてその足で自販機コーナーに向かう。 いつもより足が重い気がするのはきっとこの沈んだ気持ちのせい。 自販機にいつものように100円を入れて水のボタンに手を伸ばす。 その瞬間、誰かが私よりも早くボタンを押した。 「いつも水ばっか買うよな」 「...え?」 振り返るとからかうような笑みを浮かべて海斗(かいと)くんが立っていた。