私の隣にはそんな極上の愛で私を包み込んでくれる最愛の人、聖さんがいる。

「貴方たちは神の導きによって夫婦になろうとしています。汝健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

「はい、誓います」

牧師さんのその言葉に互いに手を取りながら目を真っ直ぐに見て誓い合う。

「それでは指輪の交換をして、そして誓いのキスを」

ベールを上げてくれた聖さんと目が合った。牧師さんが差し出したリングピローには、あの日ふたりで選んだ特別な結婚指輪がきらりと光っている。

緊張と幸福と、そして感謝と。いろんな感情が入り混じる中、私たちはお互いの左手の薬指にゆっくりと指輪をはめ合う。薬指に光る指輪を見て思わず笑みが溢れた。

そして、私の両肩に優しく聖さんが手をかけて互いの目を見つめ合いながらそっと近づく私たちの距離。

多くの大切な人たちに見守られながら、私たちは甘くとろけるような誓いのキスを交わした。


“東條 聖”

理論的で冷徹で無愛想で。
全く異なる価値観の持ち主だと思っていた彼。


だけど本当は誰よりも優しくて家族思いで、強さと温かさを兼ね備えていて私にいつも極上の愛を降り注いでくれるーー


「紗凪、心から君を愛している」

「私も聖さんのことを心から愛しています」

私が今、愛して止まないその人なのだ。

✴︎✴︎end…✴︎✴︎