「いや、別にそんな人はいな…」

「またまた！　嘘だぁ」

「な、何で？　そう思うの？」

「冴草さん、最近ネックレスしてるじゃないですか？」

「あ、うん。してるけど」

女子はそういうさり気ない変化にすぐ気がつくし敏感だ。だからと言って新しいネックレスをしているということがどうして気になる人がいるという発想に繋がるのだろうか？

「冴草さん、無意識なんだろうけど休憩中とか他にも結構何気にネックレスを触ってたりするんですよね」

「え？」

まさかの彼女の指摘に私は目を見開いた。無意識にそんなことをしていたんだ……。

確かに聖さんからのサプライズは嬉しかったけど別に恋愛感情があるって訳じゃないんだけどな。

「だから、すごく大切な物なんだろうと思いまして。それってやっぱり気になる人と若くは付き合ってる人もらったものなんじゃないかな、なんて法律事務員的な推理をしてみました」

「そ、それは考えすぎだよ」

なんて間髪を容れずに言ってみたけれど、どうやら信じてはいないらしい。

「まぁ、今度ゆっくり話を聞かせて下さいね？　先輩！」

私が動揺する姿を見て彼女の楽しげな声が耳に届いた。