私はルンルン気分で家に帰って来ると、録画していたテレビを数時間見て過ごした。


すると、たく兄が帰ってきた。



私は今日のことを思い出し、

すかさず怒った。

「ごめんごめん。」

と軽く謝るだけで、全く反省しているようには見えない。


「もぉー」

ため息まじりに私は怒りの声を漏らしたが、

明日香に秘密を打ち明けれる機会を作ってくれたと思えば、今回は許してやろうと思った。


そんな私たちの様子を見ていたお母さんが、私たちに乱入してくる。


興味深々の母に今日あった出来事を話すと、大爆笑している。


姉もその会話を聞いて


「蒼衣、可哀想」


そう言ってきた。


すると、たく兄は


コツン


お姉ちゃんにも私にしたのと同じように、軽く拳を彼女の頭に当てた。


「何?嫉妬?」


お姉ちゃんの顔はみるみるうちに真っ赤になっていった。

まるで自分自身を見ているかのようで、笑ってしまった。


「んなわけないでしょ!!」

お姉ちゃんはそう言って、たく兄の手を払い除け、背中にビンタをくらわせた。


「イッタイナー、菜摘は乱暴だから可愛くない」


お姉ちゃんはたく兄の言葉を無視して、
ドスドスと階段を登っていった。


お姉ちゃんに怒られても、少し満足気な顔をするたく兄。



なんだか今日はいたずらをしたい気分なのかな?



しばらくすると、

「蒼衣、勉強教えるから部屋に行こう」




そう言って二人で私の部屋に向かった。