柳瀬くんがボランティア部にいるのは、きっと有馬のためなんだろう。
そうじゃなければ、ただでさえ練習量の多い野球部とかけもちなんてするはずがない。
確かうちの学校の部活は、部員が最低でも3人必要だから、柳瀬くんは足りない部員の穴埋めなんだ。
活動できる日が週に1度だとしても、部員としてカウント出来ればいいんだろう。
それでも練習の大変な野球部員が兼部するなんて、なかなかできることじゃないと思う。
その代わりと言っていいのか、有馬は昼休みによく柳瀬くんに勉強を教えている。
練習漬けで勉強する時間がほとんどないらしい。
助け合い、支え合える関係。
ふたりのような関係を、親友と呼ぶんだろう。
大切にされた人間は、他者を大切にする余裕もある。それは家族でなくても。
大切にされたから大切にできて、そしてまた大切にされる。
その温かなサイクルに入れない自分がかわいそうで、そして当たり前のようにサイクルの中にいる有馬が少し、妬ましかった。


