明日死ぬ僕と100年後の君


そうだ、水。どうして急に水が……。



「いい加減にしないか小娘!」


風船が破裂するような声が響き、肩が跳ねる。

驚いて目を向けた先。倒れた脚立の向こうに人が立っていた。


わたしの胸の高さほどしかない身長の、真っ白な髪を短く刈ったおばあさんだった。

派手は花柄のワンピースの裾をはためかせ、しわくちゃの顔を般若のように険しくして、細い腕にバケツを抱えている。


まさかこのおばあさんに、水をかけられたんだろうか。



「さっきから聞いてりゃ、うちの商店街を汚い汚いって、失礼なガキだね! 歴史重ねりゃなんだって汚れていくもんだ! 一体何様だい! 親の顔が見てみたいよ!」


啖呵をきる相手を呆然と見上げる。なんだろう、このデジャヴ。

目の前のおばあさんに、ものすごい親近感を覚える。



「文句ばっかり言って、何だい! やりたくないならさっさと出ていきな! やる気のある奴がやればいいんだよ! イヤイヤやられたってこっちも迷惑だ!」