スポーツをがんばっても、勉強をがんばっても。
おしゃれをがんばっても、恋愛をがんばっても、友だち作りをがんばっても。
誰を蹴落とし、蹴落とされても。結局行きつく先は全員同じなのにって。
もれなく全員、老いて動けなくなり、誰かの邪魔になって死んでいく。
あんなに穏やかで、何も悪いことをしていないひいばあですら、家族から冷たい扱いを受けている。
老いとはそれだけで、嫌悪されるものなんだ。
だから他人を気に留めることなんてなかった。
人と深く関わることも避けていた。
それなのに、有馬だけは無視できないのはなぜなんだろう。
「そういうの、偽善って言うんだよ。あんたは聖人なんかじゃない。偽善者だ」
口が勝手に動く。動いてしまう。
わたしの中の怒りにも似た抗いがたい衝動が、鋭い言葉で有馬を傷つけようとする。
まるで何かに焦るように、怯えるように、必死になって傷つけようとしている。


