まるで、じゃない。睨んでいるんだ。
あの有馬に睨まれている。
それを妙に心地よく感じながら、けれどしっかり傷ついている。
わたしはどこかがおかしいのかもしれない。
人として大事な部分が、欠けているのかもしれなかった。
「誰かのためなんて、そんなの嘘。意味のないボランティアで自己満足して、気持ちいい?」
止まらない。棘のびっしりはえた言葉が、有馬に向かって次々飛び出していく。
暴力みたいな嫌味に自分で顔をしかめた。でも一度放ってしまった言葉はもう元には戻せない。
わたしはいま、無意味に有馬を傷つけている。
どうしてこんなに腹が立つんだろう。
ここまで人に対してイライラしたことなんて、たぶんいままでなかった。
自分のことも他人のこともあまり興味がなくて、どうでもいいって冷めた目で見ていた。
みんな同じだって、思っていたから。
みんな自分勝手に必死になって、バカみたいだって。


