「ボランティアは掃除だけじゃないよ。それに商店街を盛り上げるために僕らが掃除をしてるわけじゃないからね。僕らボランティア活動をすることで、誰かの手助けになるからやってるんだよ」
まるであらかじめ用意されていたセリフを読んでいるみたいだと思った。
爽やかにさらりと言っているけど、やっぱりどこか嘘くさくて、温度がない。
いまの言葉が有馬の心から出たものには聴こえなかった。
「誰かの助けになりたいって?」
「なりたいというか。助けになればいいなと思ってるよ」
「ほら、結局自己満じゃん」
わたしが勝ち誇った声でそう言うと、有馬はとうとう手を止めてこっちを見上げた。
その顔からはあの困ったような微笑みが消えていて、代わりに色素の薄い瞳に、仄暗い何かが宿ったように見えてぎくりとする。
「……自己満?」
「そ、そうだよ。助けになればいいな、なんて他人事だから言えるんだよ。ゴミを拾ったり、シャッターをきれいにするのがこの商店街のためになると思う? わたしは思わない。何も変わらない。こんなの全然意味なんてないじゃん」


