「よく聞く、意識高い系の人だとか?」
「意識高い系……?」
「ボランティアする自分に酔ってるとか」
「酔ってる……」
怒るかな、と思ったけど、有馬は特に大きな反応を見せなかった。
ただ、笑っている。
少し眉を下げて、あの困ったような顔で笑っている。
無性に腹が立った。バカにされているような気がして、カッと頭に血が上る。
「何笑ってるの?」
「え? いや……他意はないよ」
「どうせくだらないって思ってるくせに。こんなの意味ないってわかってて、あんただってやってるんでしょ」
「何言ってるの、大崎さん。そんなことは思ってないよ」
心にもないことを心からの言葉のように言って、有馬はせっせとシャッターを水拭きする。
そのつむじを見下ろしながら、わたしは苛立ちをそのまま声に乗せて落とした。
「嘘つき。こんな寂れた商店街を掃除したって、どうにもなんないじゃん。それで客が来るわけじゃないし、意味なんてなんにもないのに、どうして? なんでボランティアなんてするの?」


