でも有馬はあんな普通な態度でも、わたしのことが嫌いなんだ。
昨日の言い方だと、嫌悪とそれから、軽蔑も含まれているように感じた。
初対面なのに、わたしのどこを見て嫌いになったのかわからない。
冗談だったんだろうか。
何度かそう考えたけど、それなら普通そう言うだろう。冗談だよって。
でも有馬はわたしが嫌いだと言い、それを訂正しなかった。
なんだかとてもモヤモヤする。
表面上は当たり障りなく接していても、心の中では「こいつほんとムカつくな」なんて思っているんだろうか。
なんてことを、いちいち考えてしまうのがとても疲れる。
わたしは有馬にどうしてほしいんだろう。
嫌いなら嫌いという、はっきりとした態度で接してほしいのか。
それとも……
好きになってほしいのか。
「いや! ないないないないない!」
浮かんだ考えを振り払うように、シャッターに思い切りスプレーを吹き付けた。
シューっとどこか気持ちの良い音のあと、ひどくツンとする刺激臭に襲われてむせる。


