ため息以外に出せるものが何もない。
こんなことを1ヶ月も続けなくちゃならないなんて、とんだ苦行だ。
本当にあの不良教師は、わたしに対してこれ以上ないくらい効果的なペナルティーを用意してくれたと思う。
「大崎さーん。ちょっとこっちに来て」
有馬が少し離れた店の前から、手を振りながら呼んでいる。
昨日のあれは、夢だったんだろうかと思えてくるような普通さだ。
夢なわけがないので、彼の元に向かう足取りは鉛がついたみたいに重い。
「なに?」
「このシャッターをきれいにするから、大崎さんも手伝ってくれる?」
「え……。これを、きれいに?」
わたしたちの前にある、閉じられた店のシャッターに目をやり、頬が引きつった。
元は白だったんだろう汚れて錆びたシャッターには、スプレーで上から下までびっしりと落書きがされていた。
赤青黒とカラフルで、目に痛いというか、視界がうるさい。
いまにもシャッターから狂ったような叫びが飛び出してきそうな、派手な落書きに目がチカチカする。


