「いえいえ。僕らボランティア部ですから。遠慮なく使ってやってください」
にこやかな有馬の横顔を見ながら「わたしは仮入部なんですけどね」と心の中でくさる。
そりゃあ部活なんだから、積極的にボランティア従事したい人間の集まりなんだろう。
むしろぜひやらせてくださいというスタンスなわけだ。まったく理解できないけども。
こんな寂れた商店街を掃除して、一体何になるっていうんだろう。
多少綺麗になったくらいで、ここに活気が戻ってくるわけでもないのに。
「じゃあまずは、ゴミ拾いから始めようか」
おじさんが去り、有馬の声でボランティア部の活動が開始した。
バラバラに別れていくふたりの背中を見ながら、なんだかなあと頭をかく。
実は有馬だって久保さんだって、わたしと同じことを考えているくせに。
口に出さないだけで、心の中ではこんなのムダだって思いながらやってるんだ、きっと。
気持ちが悪くならないのかな。
考えていることと行動することが、矛盾していて嫌にならないのかな。


