明日死ぬ僕と100年後の君





職員室は禁煙のはずだ。というか、学校自体が禁煙となっているはず。

それなのに、目の前の担任である飯塚先生からは、わりときつい煙草の匂いがしているのはなぜだろう。


どこかでこそこそ、隠れて吸っているのだろうか。教師なのに。



「大崎。なんで自分が呼ばれたのか、わかってるか?」


ごま塩頭の社会科教師は、ボールペンの尻で頭皮をかきながら尋ねてくる。

イスに座った先生の頭頂部が心もとなくなっているのが見えて、少し気まずく思いながら「わかりません」と答えた。


「わからないってことはないだろ。進路希望調査のことに決まってるだろうが」


決まっているなら、どうしてわざわざ「わかってるか?」なんて聞くんだろう。


教科書や書類が積みあがった先生の机の上。

そこに置かれた白いプリントは、確かに昨日提出したわたしの進路希望調査票だった。

それをボールペンでトントンと叩きながら、先生がじつに面倒そうにわたしを見上げてくる。