「だよね。僕もあまり気にしたことはないなあ。運動部の人たちも着てるし」
「ですです! 部長、お似合いですよ」
「え? いやいや、そんな。久保さんの方が似合ってるって」
「いえいえ、部長の方が」
「そんなに褒めても何も出ないよ?」
部員のふたりは"着慣れて”いるようで、まったく抵抗がないらしい。
のんびりと漫才みたいなかけ合いを始めている。
ボランティア部はずいぶん仲が良いんだなとぼんやり思う。少人数の部活だからだろうか。
でもツッコミ役がいないせいか、どこまでもつまらない漫才が続きそうで、仕方なくわたしが割って入った。
「っていうかさ、違うよね。運動部がジャージを着るのと、ボランティア部がジャージを着るのって」
「そう? 運動も掃除も変わらないと思うけどなあ」
「いや、全然ちがうでしょ……」
「あ、部長。そろそろ時間ですよ!」
久保さんが腕時計を確認して、慌てたように告げてきた。
可愛い子だなと思う。表情がコロコロ変わって、一生懸命で、元気いっぱいで。
わたしには持てなかったものを全部持っている。


