昼間と変わらず光に満ちた部室の中には、ジャージ姿の有馬と、小柄で頭のてっぺんにおおきなお団子を作った女子、野球のユニフォームを着た男子と、それから……。
あの感じの悪い猫がいた。
部室の奥の長机の上に、我が物顔で座っている。
色々おかしな部分は多かったけれど、とりあえず「どうも」とだけ挨拶して扉をしめた。
「来ないかと思ったよ」
有馬が椅子に座ったまま、あの困ったような笑顔でそう言った。
表面上悪意はないように見える。
それなのにこうもセリフに引っかかりを覚えるのは、やっぱり彼がわたしのことを嫌いだからなんだろう。
嫌いなら嫌いって態度で示せばいいのに。
昨日みたいにはっきりと言えばいい。中途半端な笑顔でごまかさなくていいから。
だってわたしにはとてもムリだ。
笑顔で会話しようという気には正直なれそうにない。
まさか、他に人がいるから言えないんだろうか。
だとしたら、有馬夕星という人は本当に最悪な偽善者だと思う。


