おばあちゃんはよく、ひいばあのためだ、お母さんのためだ、わたしのためにやっているんだと押し付けがましく言っている。
けれど実際は文句ばかりで、やっているのは自己満足にしか見えない。
本当に家族のためを思うなら、ひいばあにあんな態度はとらないはずだ。
もっと優しく、ひいばあに寄り添えるはずだ。
どうしても、そんな風に思ってしまう。
結局おばあちゃんは、自分のために仕事を辞めて、自分のためにひいばあの介護をしているんだろう。
わたしは絶対に、そんな風にはなりたくない。
誰かのためなんて、見え透いた嘘はつきたくなかった。
でも……今回ばかりはやるしかない。
それでもサボるようなら進学も危ういぞと脅されたら、やらないわけにいかなかった。
進学できなくても、留年したとしてもわたしは気にしないけど、そうなるとさすがにお母さんが黙っていないだろうから。
仕方ない、と腹をくくって扉をあけた。
開いた隙間から差し込んだ光の眩しさに、思わず一瞬目をつむる。


