明日死ぬ僕と100年後の君


出迎えの言葉はむしろついでのように聞こえた。

そういえば、朝出かけにトイレットペーパーとおしりふきを頼まれてたんだったと思い出す。


おばあちゃんは途端に鬼のような形相になって「またかい!」と怒鳴った。

雷が落ちたような、ビリビリと空気の震える声に息をのむ。



「あんたに頼むといつもこれだ! 頼まれものひとつ覚えられないそのオツムには、一体何が詰まってるんだろうね!?」

「ご、ごめんって。後で買ってくるから。それよりおばあちゃん、洗濯物干しっぱなしだよ」

「だったらあんたが取り込んでくれればいいじゃないか! それくらい言われないと出来ないもんかねぇ!」


おばあちゃんは心底呆れたと言いたげに、これみよがしにため息をついて腰を伸ばす。


「まったく、あんたら親子はそろいもそろって、家のことなんにもしやしないんだから」


トントンと腰を叩くおばあちゃんは、ブツブツ文句を言いながら縁側へと向かう。


「あたしが17の頃なんて、家のことは何でもやってたっていうのに。最近の若いもんはどうしようもないよ。仕事仕事って、仕事だけしてる奴がそんなに偉いってのかい。誰のためにあたしが仕事を辞めて、こうして家のこと全部やってやってると思ってるんだか」