明日死ぬ僕と100年後の君


できれば、吸収されていてほしい。

有馬の身体は拒絶しても、それは有馬にとって必要なもののはずだから。



「有馬……」

「大崎、さん?」

「うん」


涙を浮かべながら、汚れた口元を拭う有馬。

その手が小刻みに震えていた。



「ごめん……汚い」

「気にしないよ。全然」


本当に、気にならなかった。

気になるのは有馬の心だ。

有馬が壊れてしまわないか、不安で仕方ない。


有馬が嫌だろうから出来ないけれど、抱きしめたいと思った。

こんなに人がいる中でも、そうしたいと思った。



「有馬!」

「柳瀬くん……!」


人垣を押しのけて柳瀬くんが駆け寄ってきた。

彼の顔を見てほっとしたのは、わたしだけじゃないはずだ。



「どうした。気持ち悪いのか? 熱は?」


有馬が首を振る。

柳瀬くんは眉を寄せて少し考えたあと、有馬の腕をとった。