明日死ぬ僕と100年後の君




もしかしたら有馬は学校に来ないかもしれない。そんなわたしの予想は裏切られた。

学校に着いてすぐに、廊下の先を歩く有馬を見つけた。

すれ違う生徒に声をかけられ、笑顔で返している。

いつもの有馬だった。


聖人と呼ばれる彼はとても人気者だ。

男子も女子も、有馬のことを好意的に見ている。


普段と変わらない彼にほっとしながらも、不安はぬぐいきれない。

本当に、大丈夫なんだろうか。


お母さんは朝になっても病院から帰ってこなかった。

事故に遭ったあの人は、どうなったのか。

助かったのか、それとも……。



次に有馬を見かけたのは昼休み。

友だちらしき男子生徒と並んで歩いているところだった。

柳瀬くんじゃない、有馬より小柄でおとなしそうな雰囲気の生徒。

ふたりはそれぞれたくさんのノートを抱えて廊下を歩いている。


おとなしそうな男子生徒が隣のクラスの前で立ち止まる。

有馬は彼にノートを渡す。

男子は笑顔で何かを言うと、教室に入っていく。

有馬も笑顔で手を振り、歩き出す。


その手にはあの、ぼんやりと光る玉が握られていた。