明日死ぬ僕と100年後の君


「お母さん、たぶん今日は帰らないって」

「またかい! あの子の家はここじゃなくて病院なのかね。そんなに病院が好きなら、そっちに住んじまえばいいんだよっ」


治まりかけていたおばあちゃんの怒りが再燃する。

いままでのことすべてをひっくるめて相手を責めるのが、おばあちゃんのまずいところだ。


「おばあちゃん……」

「大体ね、本当に仕事かどうかもわからないよ。あの子は昔から、妙に男にモテたからね。母親って立場も忘れて男と遊んでるんじゃないのかい」


いやだいやだ、と疲れと嫌悪をにじませた声にカッとなった。

いつもの嫌味だ。

おばあちゃんだって本気でそう思ってるわけじゃないことくらいわかってる。


それでもいまは、許せなかった。

どうしても、聞き流せなかったのだ。



「よくそんなことが言えるよね! 仕事だよ! お母さんは人を救う仕事をしてるんだよ!? 寝る間も惜しんで誰かを助けようとしてるの!」


いまこの瞬間、消えかけている命をどうにかしようと、懸命にがんばっている。

有馬が必死に繋げた命を、消さないようにがんばってくれている。