「とりあえず、今日はジャージの用意がないみたいだから、明日から参加ってことにしようか。明日の放課後、ここに集合ね」
「え? あ、ああ……はい」
「1ヶ月よろしく、大崎さん」
困ったような笑顔の聖人に見送られ、わたしもなんとか「よろしく」とだけ返してふらふらと部室を出た。
明るい部室から薄暗い廊下に出ると、途端に鼓動がドクドクと音をたてて走り出す。
『君みたいな人間、嫌いだから』
聖人の言葉が、耳の奥にべったりと貼りついて離れない。
わたしみたいな人間って、何?
初対面でちょっと話しただけなのに、わたしの何を知っていると言うんだろう。
ようやくじわじわと怒りが湧いてくる。
思い切りへの字にした唇が、ピリッと痛んで切れたのがわかった。
別に聖人に嫌われたことがショックなわけじゃない。
わたしだってああいう胡散臭いタイプの人間は好きじゃないし、お互い様だ。
好きじゃない人にどう思われたって、どうでもいい。そのはずなのに……。


