思わず立ち止まり、そのまま進む有馬の後頭部をじっと見つめた。
まさかそこに繋がるなんて思わなかった。
やっぱり、わかってはもらえないのか。
苦い気持ちがこみあげ、唇を噛み有馬の背を追う。
「……わかってるよ。だから有馬はわたしのことが嫌いなんでしょ? 最低だって思うんでしょ? だったらわたしの命を使ってよ! 嫌いならいくらでもとれるでしょ? わたしから毎日命を奪ってよ!」
悔しい。
怒りにも似た気持ちを有馬にぶつければ、なぜか有馬の方がもっと苛立った顔をしていた。
気分を害した、とその横顔が言っている。
「別に最低だなんて思ってないよ」
「……え? だって、わたしのこと嫌いだって」
「そうだね。気に入らない。でもそれって結局、ただの嫉妬なんだよ。金持ちムカつくって思うのも、羨ましいって気持ちがあるからだろ? 僕はね、大崎さんが羨ましいんだよ、きっと」
自分を嘲るように笑う有馬に、わたしの勢いが削がれていく。
わからない。
わたしが羨ましいという、有馬の気持ちが理解できなかった。
「そんなの……。長生きしたって、いいことなんて何一つないよ」


