明日死ぬ僕と100年後の君


思わず立ち止まり、そのまま進む有馬の後頭部をじっと見つめた。

まさかそこに繋がるなんて思わなかった。


やっぱり、わかってはもらえないのか。

苦い気持ちがこみあげ、唇を噛み有馬の背を追う。



「……わかってるよ。だから有馬はわたしのことが嫌いなんでしょ? 最低だって思うんでしょ? だったらわたしの命を使ってよ! 嫌いならいくらでもとれるでしょ? わたしから毎日命を奪ってよ!」


悔しい。

怒りにも似た気持ちを有馬にぶつければ、なぜか有馬の方がもっと苛立った顔をしていた。

気分を害した、とその横顔が言っている。



「別に最低だなんて思ってないよ」

「……え? だって、わたしのこと嫌いだって」

「そうだね。気に入らない。でもそれって結局、ただの嫉妬なんだよ。金持ちムカつくって思うのも、羨ましいって気持ちがあるからだろ? 僕はね、大崎さんが羨ましいんだよ、きっと」


自分を嘲るように笑う有馬に、わたしの勢いが削がれていく。

わからない。

わたしが羨ましいという、有馬の気持ちが理解できなかった。



「そんなの……。長生きしたって、いいことなんて何一つないよ」