「有馬には悪いけど……わたし、そんなに長生きなんてしたくない。家族にも他人にも白い眼を向けられるなんてムリ。できれば誰にも迷惑かけない、自分で動けるうちに死にたいんだよ」
この感覚は有馬だけでなく、誰にも理解されないものかもしれない。
呪われた家系のわたしだからこその願望だろうから。
でも、わからなくていいから、わかってほしかった。
生きていることは、死んでいくことと同じだ。
死刑執行まで待つ時間が、長いか短いかの差だ。
長くて良いことなどあるだろうか。
短く終わらせられるなら、それがいい。恐怖は短い方がいい
有馬は黙っていた。
黙って、わたしの嘆きを聞いていた。
歩調が変わらないことに、安心していいのか不安になっていいのかわからず、ひたすら反応を待つ。
少しでも伝われと願いながら。
「大崎さんはさ、お金持ちのことをどう思う?」
ふとそんなことを言われ、数度瞬きする。
予想外の反応というか、質問だった。
いまのわたしの独白と、お金持ちと、いったい何の関係があるというのだろう。


