生まれたきた意味も、生きる意味もわからない。
意味を見出すために生きるのだとしても、そうやって前を向くために必要なものを、わたしはとっくに失っていた。
「そんな未来のことなんて、誰にもわからないだろ?」
「ううん。わかるんだよ。言ったじゃん。すごく長生きの家系なんだって。それも女ばっかり。逆に男の人は短命らしいんだけど。親戚も100歳以上生きる女の人ばっかりで……普通じゃない」
最高は117歳だった。
わたしはいま、17歳。
まだ、17歳なのだ。
「わたし、あと100年も生きなきゃいけないんだよ。頑張って勉強して、部活やって、恋をして、受験して、いい大学に入って、いい会社に就職して、結婚して、出産して。そんな理想的な人生を送ったとしても、その先は? お母さんや、おばあちゃんや、ひいばあみたいになって、寂しく死んでいくなんて……耐えられない」
家族の重荷にになりたくない。
自分のせいで家族がいがみあう姿は見たくない。
けれどその為に家を出て、施設に入り、人として扱われない生活を送るのもまた、不幸でしかない。
結局答えはひとつなのだ。
不幸になりたくないのなら、必要なのは“死”だけだった。


