明日死ぬ僕と100年後の君



「じゃあ……わたしを殺してよ」


零れる前に涙をぬぐう。

挑むように見上げた先に、有馬の困惑顔があった。



「わたしの命を食べてよ。1日分の命なんてケチなこと言わないから、何年分でも持っていっていいから。なんなら残り全部だってあげるから、だから……!」


詰め寄るわたしを、今度は有馬はよけなかった。

代わりに肩を掴み、首を横に振ってくる。


「大崎さん。それは昨日断ったはずだよ」

「わかってる! 有馬がわたしのことを嫌いな理由も、わかってるよ! でも……しょうがないじゃん。自分の未来に幸せがないのを知ってるんだもん。それなのに頑張って生きて、何の意味があるの? もうわたしは随分前から、楽しいって思えなくなっちゃったんだよ。何をしても、何を見ても、何を食べても、感動もできない。行き着く先は結局、年をとったかわいそうな自分だから」



いつからか、わたしの世界は灰色だった。

友だちに合わせて笑顔を作っても、心の中は空っぽ。


何かをしようという意欲も気力も持てない。