しかしやっぱり、違和感がすごい。
目の前の猫のいったいどこに、おっさん要素があるというのだろう。
興味を引こうと手に何かを握ったように見せて差し出したけれど、猫は手には目もくれず、わたしをちら見しただけでまたプイとそっぽを向いた。
聖人の足に身体をこすりつけながら、彼の後ろに隠れてしまう。
「大崎さん、嫌われたね」
苦笑いで言われ、唇をとがらせる。
おかしいな。わたしは人間より動物の方が好きなくらいだし、動物にもわりと好かれる方なのに。
昔いついたあの野良猫だって、ひいばあの次にわたしに懐いていた。
「慣れてないだけだよ。仮入部したら、きっとそのうち触らせてもらえるし」
立ち上がりながらそう反論すると、間髪いれずにまた猫が鳴いた。
今度は「ナァウ」と低く、まるで抗議するような声で。
途端に聖人がふき出したから、わたしもますます面白くない気持ちになる。
彼はお腹を抱えながら声を出すのを耐えているけど、そこまでするならいっそ大笑いしてくれた方がマシだ。
「なんなのこの猫。すっごく感じ悪くない?」
「き、気にしなくていいと思うよ……っ。好かれる必要は、ないから」
「別に我慢しなくていいし。笑いたければ笑えばいいじゃん」


