瞳は金色で、首輪はない。キリッとした顔立ちで、すらりと細く長い手足。
野良にしては汚れや傷もなく、毛並みもとても綺麗で、上品な雰囲気の猫だ。
昔うちにも野良猫が居ついたことがあったけど、もっとぼてっとした身体で、顔もふてぶてしく上品とはほど遠い子だった。
それはそれで可愛かったのだけど。
わたしは猫が好きだ。犬よりは猫派。
のんびりとマイペースで、しつこくじゃれてはこない猫は見ているだけで癒される。
生まれ変わったら猫になりたいと、わりと本気で思うくらいには猫が好きだ。
「名前は?」
「つけてないよ。飼ってるわけじゃないし」
さっきから聖人は、妙に「飼ってるわけじゃない」を強調してきている気がする。
なんだか逆に怪しく思えてきた。本当は飼っているんじゃないかって。
「ただ……なんとなく、おっさんって呼んでる」
「……おっさん?」
この美しい猫を、おっさんと?
あまりの違和感に眉が寄る。
「なんとなく、おっさんっぽいから。他の部員もたまに呼んでるよ」
「ふーん。……おっさん、おいでー。怖くないよー」
しゃがみこみ、目線の高さを合わせて呼びかける。
猫なで声というやつだ。


