残されたわたしと有馬は、しばらくふたりの背中を無言で見送った。
やがてお互いをうかがうようにして見つめ合い、そしてそらす。
あまりの気まずさに、わたしも泣きたい気持ちになった。
「なんかわたし、相当久保さんに嫌われてるみたいだね」
「いや……。そうは見えないかもしれないけど、意外と心が弱い子なんだ。君を嫌ってるわけじゃないよ。あまり責めないでやって」
軽く言って、有馬は歩き出した。
慌てて追いかけ、弁明する。
「だから責めるつもりなんてないんだってば。ただ気になっただけなの」
本当に、それだけだ。
どうしてボランティア部の彼らが普通でいられるのか、気になっただけ。
わたしとの違いはなんなのだろうと、知りたくなっただけだった。
有馬はちらりとわたしを見ると、少し考える素振りをしてから口を開いた。
「久保さんの家はね、お父さんがいなんだ。去年、彼女の受験の真っ最中に両親が離婚したらしい」
「へぇ……そうなんだ」
別に珍しい話でもなんでもない。
わたしも父とは死別しているし、有馬にいたっては両親と弟までも亡くしている。


