明日死ぬ僕と100年後の君


いやいや、学校に猫がいるわけないって。

そう思った直後、長机の下からのんびりとした足取りで、黒猫が1匹現れるから驚いた。


「ね、猫? なんで猫がいるの?」


たじろぐわたしをじっと見上げたあと、興味をなくしたようにプイと小さな顔を背けた猫は、聖人の足にすり寄ってまたひと鳴き。

随分懐いているように見えるのは、気のせいだろうか。



「もしかして、ここで猫を飼ってるの?」

「いや、飼ってるわけじゃないよ。勝手に入ってくるんだ」

「勝手に? どこから?」


この部室は2階にある。身軽な猫でも窓から入ってくるわけじゃないだろう。

だとしたら猫が自分でドアを開けて入ってくるとでも言うんだろうか。


「さあ。気づいたらいるんだよね、いつも。それで気づいたらいなくなってる。餌もあげてないから飼ってるわけじゃないよ」

「ふうん。変わった猫だね。……毛もなんだか不思議な色だし」


黒い猫かと思ったけど、よく見ると暗い灰色のようにも、銀色のようにも見える。