明日死ぬ僕と100年後の君


ふたりからさりげなく目をそらし、苦く笑う。

それ以外どんな表情をしたらいいのかわからなかった。


「別に、謝ることないよ。責める気なんてないし、純粋に気になっただけだから。それに……久保さんの理由がいちばん納得できたし」

「そ、そうですか? なんか……いいこと言えないの、申し訳なくて。ペナルティ期間が終わっても、大崎先輩がボランティア部を続けたくなるような、何か熱いものを伝えれば良かったんですけど……」


わたし、こんな奴なんで。

明るく笑っているれど、久保さんの目の端は赤く染まっていた。


いまにもぽろりと、涙がこぼれてきそうな笑顔に何も言えなくなる。



「あっ。わ、わたし弟のお迎えに行かなきゃいけないんです。だからお先に失礼しますね!」


突然がばりと頭を下げると、久保さんは顔を俯けたまま「お疲れさまでした!」とことさら元気よく言った。

そして逃げるように走り出す。


急すぎる彼女の行動に唖然とするわたしたち。

すぐに柳瀬くんがハッとしたように有馬と目を合わせ、ひとつ頷くと「俺も行くわ」と久保さんを追いかけていった。


さすが野球部、足が速い。

あっという間に久保さんに追いついていく。