明日死ぬ僕と100年後の君


まあそうだろうとは思ったけど。

この寒々しい庭を見れば簡単に想像がついた。

まだ剪定の時期でもないのに、生い茂る葉が邪魔で切られてしまったのかもしれない。


うちの庭にある梅の木も、ここ数年はまったく手入れがされていなかった。

適当に剪定するのもダメだけど、まったくしないのも良くないらしい。

以前剪定しながらおばあちゃんがそう言っていたのを思い出す。


いずれこの木もうちの木も、花が咲かなくなるのかもしれない。

花が咲かなければ、実もならない。そして誰にも、梅だと気づかれないような悲しい木になるのだろうか。



「梅さんと同じ名前の木ですよ。春、梅の花は見ましたか?」


質問してから、少し後悔した。

梅さんはきっと、花見はしていない。

この木はロビーからは見えないし、ここまで梅さんを連れてきてくれる職員がいるとも思えなかった。


ひいばあの部屋からは梅が見える。

あのベッドの上からも、たぶん見えている。

そのことにほんの少し、救われた気がした。