明日死ぬ僕と100年後の君


まあ確かに、大柄な柳瀬くんの力は相当ある。

Tシャツの袖口がパツパツになる腕の筋肉は伊達じゃない。

たまにわたしも気安く肩を叩かれることがあるけれど、あの力でお年寄りに同じことをしたら、確かに危ない。

骨折までいかなくても脱臼くらいはするかもなと思った。

有馬の心配もわかるような気がする。



「有馬部長って、心配性っていうか、面倒見がいいですよね」


そう言ってどこか嬉しそうに笑う久保さんに、わたしも曖昧に笑って「そうかもね」と返す。

あの隼人くんとの一件があったあと、気まずくなるかもという心配は、杞憂に終わった。


次の日顔を合わせた時に、久保さんはいままでと変わらず挨拶してくれたのだ。

それどころか「昨日は大切なことを教えてくださって、ありがとうございました」とお礼まで言われてしまい、どう返していいのかわからなくなった。


わたしは別に、彼女に何かを偉そうに説こうとしたわけじゃない。

ただ、見ていられなくて言っただけだ。

それは当然、久保さんのためなんかじゃない。


わたしはとことん、自分勝手な奴だから。